酒と恋には酔って然るべき

著者:はるこ(美波はるこ)
原案協力:江口まゆみ
秋田書店 エレガンスイブ

独身OLも32歳になれば、楽しみは酒と肴ぐらい。今さら男に心乱されるような乙女じゃない。それでも晩酌は至福の時間。

異動して来たばかりの年下男子が、どうも部署に馴染めていないようなので軽い気持ちでサシ飲みに誘ってみた。

「いいですけど」

(いいんだ なんか上から言われてる感あるけども…汗)

「いいお店ですね こういうとこ知ってるって だてに年くってませんね」

「そりゃ きみより大人だから~ 普段はもっぱら家飲みだけど」

「今度 家へ飲みに言ってもいいですか?」

「(社交辞令かな)いいよ おいでよ」

思わせぶりなくせに一切 手を出してこない年下男子。32歳にもなって過度な期待はしまいと自重しながらも少しはしゃぎそうになるOL。

年下男子は、家飲みをしたことを社内で吹聴していた。

(あのやろう、みんなと仲良くやってるじゃないか!)

「自販機にワンカップは売ってませんよ」

「そうみたい~ ひとっ走り買ってきてくれる~(怒」

「すみませんでした 仲良くなれたのを他の人に自慢したくてつい」

「え…」

「ワンカップ飲んでる女の人って初めてだったので」

「あら~ 初めてをもらっちゃった(怒」

案の定、振り回されつつある三十路OLの最後の花は咲くのだろうか!?

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